栃木県で子育て中の方、これから栃木県へ引っ越す予定の方へ。「国の児童手当のほかに、栃木県だけの上乗せはあるの?」という疑問に、栃木県と県内市町の公式ページで確認できた制度だけを並べてお答えします(2026-10-23 時点)。

家計相談の場で多いのは、制度があることを知らなかったケースよりも、「上の子が卒園したから2人目は対象外だと思っていた」という数え方の勘違いです。栃木県の制度は数え方が国と違うところが要点なので、そこを中心に書きます。

まず確認:国の制度と栃木県独自の部分

項目国の制度(全国共通)栃木県の上乗せ
児童手当0〜3歳未満 月15,000円、3歳〜高校生年代 月10,000円(第3子以降は月30,000円)県独自の加算はなし(国の制度そのまま)
0〜2歳の保育料同時に入園している兄弟姉妹のうち2人目は半額、3人目以降は無料2人目から無料。上の子が18歳未満であれば、卒園後でも別の園でも2人目として数える。所得制限なし
3〜5歳の副食費(おかず代)保育料無償化の対象外(実費)第3子以降は免除
こども医療費国の制度はなし(自治体の事業)県の制度として0歳〜中学3年生が対象。所得制限なし。市町がさらに年齢を引き上げている場合あり
妊産婦の医療費国の制度はなし妊娠を届け出た月から出産翌月末まで。自己負担は医療機関ごとに月500円まで。所得制限なし

児童手当の金額は栃木県内でも全国と同じです。県が上乗せしているのは保育料・副食費・医療費で、児童手当に加算しているわけではありません。

いま使える栃木県の制度(2026-10-23 時点)

1. 第2子以降保育料等免除事業(県独自・継続中)

保育所・認定こども園などに通う0〜2歳児(3号認定)について、2人目の保育料を無料、3人目以降は0〜2歳の保育料と3〜5歳の副食費を免除する制度です。県と市町が連携して実施しています。

  • 開始:第2子の免除は令和6(2024)年10月から。令和6年度は市町によって始まった時期が異なります
  • 数え方:同じ世帯の18歳未満(18歳になった後の最初の3月31日まで)の子から数えます。上の子が小学生・中学生でも、同じ園に通っていなくても、下の子は「2人目」です
  • 所得制限:なし
  • 副食費:0〜2歳の保育料には副食費が含まれるため、あわせて免除されます
  • 期間:3歳になった後の最初の3月31日まで無料

国の制度では「同時入園」でないと2人目扱いにならないため、上の子が小学校に上がった時点で下の子の保育料は満額に戻ります。上の子が小学生・中学生の世帯ほど、国の制度との差が大きくなります。

申請の要否や手続きの細部は市町ごとに異なります。お住まいの市町の児童福祉担当課(保育課など)で確認してください。

2. こども医療費助成制度(県の制度+市町の上乗せ)

  • 県の制度の対象:生まれた日から中学3年生まで
  • 所得制限:なし
  • 支払い方:小学6年生までは医療機関の窓口で払わない現物給付。中学生は窓口でいったん払い、あとで市町に申請する償還払い
  • 自己負担:未就学児以外は、医療機関ごとに月500円(1診療報酬明細書)が上限。薬局は除く
  • 手続き:出生届を出すときに、市町で受給資格を登録して受給資格者証を受け取る

市町の上乗せの例(宇都宮市):宇都宮市は対象を18歳になった後の最初の3月31日まで(高校生年代)に広げています。栃木県内の医療機関で受給資格者証と保険証を出せば、窓口負担は原則かかりません。県外で受診した場合や受給資格者証を出さなかった場合は、受診から1年以内に償還払いを申請します(2026-10-23 時点)。

県の案内でも「市町によって現物給付・償還払いの対象年齢をさらに引き上げている場合があります」とされています。対象年齢は市町によって違うので、引っ越しのときは転入先の市町で必ず確認してください。

3. 妊産婦医療費助成制度(県の制度)

妊娠を届け出た月の初日から、出産した月の翌月末日までが対象です。自己負担は医療機関ごとに月500円(薬局は除く)まで、入院時の食事代は対象外、所得制限はありません。妊娠届を出すときに、市町の医療費助成担当窓口で登録します(2026-10-23 時点)。

4. ひとり親家庭医療費助成制度(県の制度)

ひとり親家庭の親と子(18歳になった後の最初の3月31日まで)の保険診療の自己負担分を助成します。医療機関ごとに月500円と入院時の食事代は自己負担です。いったん窓口で払い、市町の児童福祉主管課に申請すると口座に振り込まれる償還払いで、申請期限は受診月の翌月1日から1年です。所得制限があり、令和6(2024)年11月1日に限度額が引き上げられました。限度額の表は県のページに掲載されています。

5. 子育て世帯等住宅断熱化支援事業(令和8年度・受付中)

現金の手当ではありませんが、子育て世帯が使える県の補助金で、いま受付中です。

  • 対象:令和7(2025)年4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯、または夫婦のどちらかが39歳以下の若年夫婦世帯
  • 補助額:ZEH水準の新築住宅は1戸30万円(定額)、既存住宅の断熱改修は1戸上限10万円(国の補助額の1/2が上限。千円未満切り捨て)
  • 受付期間:令和8(2026)年5月18日〜令和9(2027)年1月29日。先着順で、予算を超えた時点で終了
  • 予算の消化状況:予算2億円に対し、受付額は約50%(令和8年10月7日現在)
  • 申請方法:事務局へ、配達記録の残る方法で郵送

既存住宅の断熱改修は、補助額の上限が国の補助額の1/2に連動しています。予算の残りは日々変わるので、申請前に事務局(028-341-6174、平日9:30〜17:00)に確認してください(2026-10-23 時点)。

6. 栃木県奨学のための給付金(公立・家計急変分は受付中)

公立高校などに通う高校生がいる住民税非課税世帯などへの、返さなくてよい給付金です。通常申請は締め切られましたが、令和8年7月2日以降に失業などで家計が急変した世帯は、令和9(2027)年1月29日(消印有効)まで随時受け付けています。

世帯区分(所得割の合算額)全日制・定時制通信制・専攻科
非課税相当143,700円50,500円
105,500円未満相当47,900円16,830円
182,500円未満相当35,930円12,630円

家計急変分の支給額は、急変が起きた月によって変わります。上の額は7月1日までに急変した場合の額です(2026-10-23 時点)。私立高校に通っている場合は、私立用の別制度(文書学事課)が窓口です。

申請の順番:先にやらないと損をするもの

  1. 出生届と同時に、児童手当とこども医療費の受給資格を登録。児童手当は申請した月の翌月分から支給されます。申請が遅れると、その間の月の分は原則として受け取れません。
  2. 保育所の入所申込のときに、上の子の情報も正確に書く。栃木県の第2子免除は「同じ世帯の18歳未満の子」で数えるため、上の子が園に通っていなくても申告が必要です。
  3. ひとり親の方は、児童扶養手当とひとり親家庭医療費の受給資格者証を先に取る。医療費は償還払いのため、資格者証がないと後から申請できません。
  4. 住宅の新築・断熱改修を考えているなら、早めに断熱化支援事業へ。先着順で予算が残り半分のため、着工時期を決めたら申請要件を確認してください。

よくある「対象外」「もらい損ね」

  • 上の子が卒園したので第2子免除は関係ないと思い込む:栃木県は18歳未満の子から数えます。国の「同時入園」ルールと混同しやすい点です。
  • 3〜5歳の第2子も副食費が無料だと思い込む:3〜5歳の副食費の免除は第3子以降だけです。
  • 中学生の医療費を申請しないままにする:県の制度では中学生は償還払いです(市町によっては現物給付)。市町への申請をしないと戻りません。
  • ひとり親家庭医療費の1年の期限切れ:受診月の翌月1日から1年を過ぎると申請できません。
  • 転居後の再登録漏れ:こども医療費・妊産婦医療費は、県内で引っ越した場合も含め、転入先の市町で登録し直します。

過去の制度(次年度の見通しを立てる材料として)

栃木県奨学のための給付金(公立)令和8年度 通常申請・1〜7月の家計急変分

令和8(2026)年7月1日時点で対象となる世帯の通常申請と、令和8年1月1日〜7月1日に家計が急変した世帯の申請は、どちらも令和8年9月18日で締め切られています(学校経由の場合は学校が指定する日まで)。支給は11月下旬〜12月上旬の予定です。毎年度、7月1日時点の世帯状況で判定し、夏に学校から案内が届く流れなので、来年度も同じ時期を目安にしてください。期限を過ぎてから申請したい場合は、提出先に相談するよう案内されています。

第2子保育料免除の始期(令和6年度)

第2子の保育料免除は令和6(2024)年10月に始まりましたが、令和6年度中に始めた時期は市町によって異なります。自分の市町がいつから始めたかは、各市町の児童福祉担当課で確認できます。

問い合わせ先

  • 栃木県 こども政策課(こども医療費・妊産婦医療費・第2子以降保育料等免除事業)
    TEL:028-623-3068 〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館5階
  • 栃木県 こども政策課 児童家庭支援・虐待対策担当(ひとり親家庭医療費助成)
    TEL:028-623-3067
  • 栃木県教育委員会事務局 教育政策課(奨学のための給付金・公立)
    TEL:028-623-3354
  • 栃木県子育て世帯等住宅断熱化支援事業補助金事務局
    TEL:028-341-6174(平日9:30〜17:00)
  • 宇都宮市 子ども政策課 子ども給付グループ(宇都宮市のこども医療費助成)
    TEL:028-632-2387
  • お住まいの市町の児童福祉担当課(保育料免除・医療費助成の実際の手続き)

FAQ

Q1. 栃木県は児童手当を上乗せしていますか?

A. 県の公式ページで確認できる範囲では、児童手当への県独自の加算はありません。金額は国の基準どおりで、0〜3歳未満が月15,000円、3歳〜高校生年代が月10,000円、第3子以降が月30,000円です(2026-10-23 時点)。

Q2. 上の子が中学生で、下の子が1歳です。保育料は無料になりますか?

A. 栃木県の第2子以降保育料等免除事業では、上の子が18歳未満であれば下の子は「2人目」として数えるため、0〜2歳の保育料は免除の対象です。所得制限もありません。手続きはお住まいの市町で確認してください。

Q3. こども医療費は高校生まで無料ですか?

A. 県の制度は中学3年生までです。宇都宮市のように高校生年代まで広げている市町もありますが、対象年齢は市町によって異なります。

Q4. 第2子の3〜5歳の副食費も無料ですか?

A. いいえ。3〜5歳の副食費の免除は第3子以降が対象です。第2子は、0〜2歳の保育料に含まれている副食費だけが免除されます。

参考文献