テレワークの日に子どもが家にいると、仕事にならない。これは在宅勤務をしている子育て世帯なら、一度は直面する問題だと思います。

実際、キッズラインの調査では子育て中の在宅勤務者の76%が「仕事に集中できない」と回答しています。僕自身、週2日のテレワーク×時短勤務で働いていますが、保育園のお盆休み期間に息子(年少)が家にいた日は、まさにこの状態でした。

でも、実際に育休取った身として言うと、この問題は「なんとなく在宅勤務する」から崩壊するのであって、時間割とゾーニングを事前に設計すれば8割は解決できます

この記事では、僕が保育園のお盆休み期間に実践した「集中確保3ステップ」と、保育園の送迎で知り合った先輩パパから聞いた小学校の夏休み対策をまとめます。

なぜ「なんとなく在宅」だと仕事が崩壊するのか

在宅勤務で子どもがいるときに集中できない最大の原因は、「仕事時間」と「子ども対応時間」の境界線がないことです。

オフィスにいれば、勤務時間中は仕事に集中できます。でも在宅だと、子どもは「パパがいる=遊んでくれる」と認識します。年少の息子の場合、僕がPCに向かっていると5〜10分おきに「パパ見て!」が飛んできます。

そのたびに対応していると、30分で終わるはずの資料作成に2時間かかる。結果、17時退勤の時短枠に収まらず、子どものお迎え後に残業する羽目になります。

この悪循環を断ち切るために、僕は「時間割」「ゾーニング」「夫婦シフト」の3つを設計しました。

ステップ1:時間ブロック制──「集中時間」と「子ども時間」を30分刻みで見える化する

最初にやったのは、1日のスケジュールを30分ブロックで「仕事集中」「子ども対応」「家事」に色分けすることです。

僕のテレワーク日のタイムブロックはこうなっています。

  • 6:00〜7:00:起床・朝食準備(通常ルーティン)
  • 7:00〜8:00:子どもと朝食・身支度
  • 8:00〜8:30:妻が保育園送り担当の日は、ここから仕事開始
  • 8:30〜10:00集中ブロック①(Web会議・企画書など頭を使う仕事)
  • 10:00〜10:30:休憩+洗濯など家事
  • 10:30〜12:00集中ブロック②
  • 12:00〜13:00:昼食+子ども対応(お盆休み期間の場合)
  • 13:00〜14:30集中ブロック③(子どもが昼寝する時間帯)
  • 14:30〜15:00:退勤前の進捗まとめ・Slack報告

ポイントは「子どもが家にいる日は、集中ブロックを3つに絞る」ことです。普段のテレワーク日は4〜5ブロック取れますが、子どもがいる日は割り込みが確実に発生します。最初から3ブロック前提で計画すれば、「予定通りにいかない」ストレスが激減します。

朝のSlackで「今日は子どもが在宅のため、集中ブロック3本で稼働します」と宣言しておくと、上司やチームの期待値も調整できます。時短復職のリアルは、こういう小さな期待値コントロールの積み重ねです。

ステップ2:家庭内ゾーニング──「仕事部屋」がなくても境界線は作れる

テレワークで最も効果があったのが、物理的な「仕事ゾーン」を家の中に作ることでした。

わが家は武蔵小杉の2LDKで、専用の書斎はありません。でも、リビングの一角にデスクを置き、100均のパーテーション(高さ120cm)で仕切るだけで、息子の「パパ見て!」の頻度が体感で半減しました。

子どもにとって「見えない=別の場所にいる」という認識が働くようです。完全に見えなくなる必要はなく、視線が直接ぶつからない程度で十分です。

ゾーニングのルールは3つだけ。

  1. パーテーションの向こう側にいるときは「お仕事中」──話しかけるのは緊急時だけ
  2. タイマーが鳴ったら「休憩時間」──30分のキッチンタイマーを息子にセットしてもらう
  3. お昼ごはんは一緒にテーブルで食べる──仕事ゾーンでは食べない

3つ目が意外と重要です。仕事ゾーンで食事をすると、子どもにとって「あのスペースは生活の一部」になり、境界線が崩れます。仕事ゾーンは仕事だけに徹することで、年少児でも「あそこはパパのお仕事の場所」と理解してくれるようになりました。

ステップ3:夫婦シフト制──お盆期間・体調不良時の対応を「前週日曜」に決める

保育園のお盆休み期間(園にもよりますが、わが家の園は8月13日〜15日の3日間が休園)や、子どもの急な体調不良のときに毎回「どっちが対応する?」と揉めていては消耗します。

わが家では看護当番を奇数週・偶数週で分けていますが、お盆期間はこの延長で「午前パパ・午後ママ」または「午前ママ・午後パパ」の半日シフトを前週の日曜に決めています。

具体的な手順はシンプルです。

  1. 前週日曜日:翌週のお互いの「絶対に外せない予定」(Web会議、締切など)を共有
  2. 優先度が高い方が集中ブロックを確保し、もう一方が子ども対応に回る
  3. Googleカレンダーに色分けで入力──パパ集中=青、ママ集中=ピンク、共同対応=緑

この「前週に決める」が肝です。当日の朝に「今日どうする?」とLINEで交渉すると、お互いに「自分の仕事のほうが重要」バイアスがかかって揉めやすい。前週の冷静な状態で決めておけば、当日は決定事項に従うだけです。

保育園のお盆休み×テレワーク、わが家の実例

昨年(2025年)のお盆期間、わが家は3日間の保育園休園に対してこう乗り切りました。

  • 1日目(8/13):僕がテレワーク+午前集中、妻が午前に子ども対応→午後は交代
  • 2日目(8/14):妻が有給取得、僕は通常テレワーク(この日は通常稼働できた)
  • 3日目(8/15):僕が有給取得、妻は出社

ポイントは3日間のうち「2人とも仕事」の日を1日だけに絞ったこと。有給と看護等休暇の年間消化カレンダーを夫婦で管理しているので、お盆に1日使っても冬の感染症シーズンに有給が枯渇するリスクは織り込み済みでした。

先輩パパに聞いた「小1の夏休み」への備え

保育園の送迎で立ち話する先輩パパ(小学2年生のお子さんあり)から聞いた話が印象的でした。

「保育園は夏も預かってくれるけど、小学校は40日間がっつり休み。学童保育に入れても、お弁当作りが毎日発生するし、学童が終わる17時以降は子どもだけになる。テレワークできる曜日を増やすか、フレックスで朝型にシフトするか、小1になる前に会社と交渉しておいたほうがいい」と。

2025年4月施行の改正育児介護休業法では、3歳未満の子を養育する労働者へのテレワーク措置が事業主の努力義務になりました。また、2025年10月施行分では、3歳以降の柔軟措置としてテレワークやフレックスを2つ以上導入する義務が企業に課されています。

制度は整いつつあります。ただ、会社が最適な組み合わせを提案してくれるわけではありません。自分から人事に確認しに行き、上司に「報告+提案」フォーマットで切り出すのが最速です。

まとめ:夏の在宅勤務は「事前設計」で決まる

在宅勤務で子どもがいて集中できない問題は、当日のがんばりでは解決しません。

  1. 時間ブロック制:集中ブロックを3本に絞り、朝のSlackで宣言する
  2. 家庭内ゾーニング:パーテーション1枚で「仕事の場所」を可視化する
  3. 夫婦シフト制:前週日曜に半日単位でシフトを決め、当日の交渉をゼロにする

この3ステップを「保育園のお盆休み」「子どもの体調不良」「将来の小1夏休み」のどのケースでも使い回せる仕組みとして持っておくと、夏が来るたびに消耗しなくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 子どもが小さすぎて「仕事中は静かにして」が通じません。何歳から時間ブロック制は使えますか?

A. 2歳後半〜3歳頃から、タイマーを使った「あと○分」の理解が始まります。わが家では年少(3歳)からキッチンタイマー方式を導入し、最初は15分から始めて徐々に30分に伸ばしました。2歳未満の場合は、夫婦シフト制で「完全に片方が見る時間」を作るほうが現実的です。

Q2. 夫婦どちらもテレワークができない場合はどうすればいいですか?

A. お盆期間に限れば、有給・看護等休暇の戦略的配分が基本になります。2025年改正で子の看護等休暇の対象年齢が拡大されたので、取得事由を確認のうえ活用してください。また、ファミリーサポートや一時預かり保育を事前登録しておくと、選択肢が広がります。

Q3. 上司にテレワーク日の集中ブロック制を伝えるのが気が引けます。どう切り出せばいいですか?

A. 「子どもがいるので集中できません」ではなく、「この時間帯は集中稼働、この時間帯はレスポンスが遅れる可能性があります」と稼働予定として伝えるのがコツです。制約の明示は信頼構築の第一歩です。退勤前に成果を1行で報告すれば、「制約の中でも成果を出している」という認知が定着します。

Q4. パーテーションを置くスペースがない場合、他にゾーニングの方法はありますか?

A. ヘッドホンを「仕事中のサイン」にする方法も有効です。「パパがヘッドホンしてるときはお仕事中」とルール化するだけでも、視覚的な境界線になります。また、ダイニングテーブルの片側だけを仕事スペースにして、子どもの遊びスペースを反対側に設定する方法もあります。

Q5. 保育園のお盆休み期間は園によって違いますか?

A. はい、大きく異なります。認可保育園は原則お盆期間も開園していますが、利用児童が3〜5割に減るため合同保育になるケースが多いです。私立園や認可外園では8月13日〜15日前後に3〜5日間の休園日を設ける園もあります。早めに園の年間カレンダーを確認し、夫婦のシフト設計に反映してください。

参考文献